占い詐欺の運営実態

占い詐欺の運営実態
グループ化している占いサイト
大手占いサイトの運営実態は、複数の占いサイトを立ち上げて、その複数の占いサイトをグループ化し運営しています。もちろん、大手占いサイト側からすると、メリットがあるためにグループ化しています。果たしてどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのケースに分けて説明していきます。
[ 目次 ]
- ケース① ユーザー情報の共有化によりピンポイントな勧誘文言を送り付ける
- ケース② 取得したアドレス情報を基に大量の広告メールを送り付ける
- ケース➂ ユーザーに「金運がよい」と刷り込む
- 占いサイトを利用してしまった場合は
ケース① ユーザー情報の共有化によりピンポイントな勧誘文言を送り付ける
- ①Aさんが占いサイトXに対し500万円を支払う
- ②占いサイトXと同グループの占いサイトYからのピンポイントな勧誘
- ③占いサイトYからのピンポイントな勧誘に惹かれ、占いサイトYに対し300万円の支払い
ご依頼者様であるAさんは、占いサイトXに会員登録を行い「数億円の宝くじが当たる」と言われました。その文言を信用してしまい、占いサイトXで数百回にわたる鑑定を受け続けてしまいました。その結果、占いサイトXに対し鑑定料として500万円を支払ったものの一向に宝くじは当たらず、占いサイトXを退会したところ、占いサイトYから「老後の不安がなくなる」というメッセージが入り、Aさんはその言葉を信じて占いサイトYに対し300万円を支払ってしまいました。
このケースは、占いサイトXと占いサイトYが同じグループ内で運営されていたケースです。実際、Aさんが占いサイトXで鑑定を受けている際に、Aさんの年齢・住所・趣味・趣向・悩み等を把握し、その把握した情報を基に占いサイトYが勧誘文言を送信しています。Aさんは、自身の趣向や悩みをピンポイントに突いた占いサイトYからの勧誘文言に惹かれ、登録をしてしまったわけです。
Aさんの情報が何もないよりも、Aさんの様々な情報を把握していた方が魅力的な勧誘文言を送信できます。また占い師が事前に、ユーザーの趣味趣向・居住地などを把握したうえで占いをすると、100%の確率で的中させることが可能です。そうすると、ユーザーは「的中率の高い占い師だ」と占い師を信用してしまい、占い師からの鑑定結果をなんでも信じてしまうというスパイラルに陥ります。そうなると、占いサイト側からするとしめたものです。
一概に情報を共有すること自体が違法とはいえませんが、予めユーザーの情報を知った上で、あたかも初めて占いをおこなっているよう欺く行為は、限りなく詐欺に近い行為であるといえます。
なおこの事例は、弊所のご依頼者様が占いサイトから送信されたメールを保存しており、弊所の今までの蓄積した各占いサイトのデータと照らし合わせたことで判明しました。
ケース② 見込みユーザーに広告メールを送信することができる
- ①Bさんが占いサイトXに会員登録したものの課金は行わず
- ②BさんのX占いサイト会員登録後、Y占いサイトより1日100通以上の広告メールが届く
- ③BさんはX占いサイトには課金しなかったものの、Y占いサイトに対し300万円を支払う
Bさんは、占いサイトXに会員登録をしたものの、課金せずに無料鑑定で終了しました。その後、占いサイトYは、同グループである占いサイトXとBさんのメールアドレスを共有し、1日100通を超える広告メールをYさんに対し送り続けました。これら大量の広告メールの中に、Bさんの悩みに対して刺さる広告があったため、占いサイトYに有料登録をしてしまい、300万円を鑑定料として支払ってしまいました。
このケースは、Bさんが占いサイトXに登録した時点で、グループに属する占いサイトYがBさんに対し、勧誘メールを送信しています。仮に占いサイトYが占いグループに属していなかった場合、BさんはYサイトに300万円も支払っていません。
ケース③ ユーザーに「金運がよい」と刷り込む
- ①X占いサイトから「金運がよくなる」と言われ現金100万円を支払う
- ②X占いサイトと同じグループのY占いサイトとZ占いサイトから「金運がよくなる」という内容の勧誘メールが届く
- ③これらの勧誘メールに誘引され、Y占いサイトとZ占いサイトへ課金してしまう
CさんはX占いサイトに登録を行い、Xサイト鑑定士から「金運がよくなる」と言われたため、その言葉を信じ鑑定を続けていました。X占いサイトに対し鑑定料100万円を支払ったところ、Y占いサイトから「あなたは最高の金運の持ち主である」とメッセージが届き、Y占いサイトも利用し始めました。次にZサイトからも「あなたの金運は最強だ」と持ち上げられたため「やっぱり自分は最強の金運の持ち主なのだ」と思い込んでしまい、Zサイトも利用してしまいました。
このケースはX・Y・Zのサイトが同じグループに属しています。Cさんは3つのサイトから「あなたは最強の金運の持ち主」と言われ続け「やっぱり私は最強の金運の持ち主だ」と思い込むようになり、YサイトとZサイトにも課金してしまったのです。
人間の性格は多種多様で、色々なタイプの人が存在しています。中には思い込みの強い人もいます。複数の占いサイトが「金運がいい」と畳みかけるようにメールを送信することで、金運の良さを刷り込まれてしまう利用者も一定数存在するのではないでしょうか。その一定数のユーザーを掘り出して、課金まで繋げることができるのは、まさにグループ化するメリットと言えるでしょう。
これらの事例の全ては、弊所のご依頼者様が実際に遭われた被害に照らして記載しています。占いサイトに登録をすると、1日100件以上の鑑定依頼のメッセージが届くのもこういったカラクリからです。こういったカラクリを知っていたら、おそらく占いサイトを利用しなかったのではないでしょうか。
また、実際のところ、これら悪質な占いサイトが送信し続けているメールは、法律の原因なく送信されているメールです。すなわち、違法なメールなのです。「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」によると「不特定多数の相手に対して事前に同意を得ず、また、宣伝メールである旨の表示をせず広告メールを送信してはならない」との趣旨の規定を定めています。しかし、悪質な占いサイトは、グループ化することでメールアドレス等の情報を共有し、不特定多数の相手に違法な広告メールや勧誘メールを送信し続けています。
占いサイトを利用してしまった場合は
不特定多数の相手に対して事前に同意を得ず、また、宣伝メールである旨の表示をせず広告メールを送信する行為であることから、特定商取引に関する法律に違反しています。違反すると、罰金100万円という刑事罰が伴います。しかし、警察に出向いて「この違法な広告メールを送信している占いサイトを取り締まってくれ」と陳情しても、警察は動いてくれません。そんな状況を利用して、悪質な占いサイトは違法メールを送信し続けます。
占いサイトをひとつ登録してしまうと、限りない数のメールが送信されてくる可能性があります。送信されるメールの中には、違法なメールも含まれます。占いサイトをご利用されようと考えている方は、注意いただければと思います。また、既に大量のメールが送信されている方は、メールアドレスを変更する方法ことをお勧めします。
実際、Bさんが利用した占いサイトのグループは10前後の占いサイトを運営しており、10前後の占いサイトから、勧誘メールが送信されているのを確認しています。まさにインターネットだから成せる方法と言えるでしょう。
現在、占いサイトから大量のメッセージが届いている方は、無料鑑定を止めておくのが賢明かと思います。
紫方里(シホリ)弁護士事務所は、着手金・相談料無料です。お気軽にご相談ください。