人間の承認欲求を巧みに利用

多くの方が「まさか自分が占いにのめり込むなんて」と仰います。弊所にご相談されるまでは一般的な主婦の方であったり、お仕事を引退されてご家族と平穏な生活を送っていた方に、ある日突然占い詐欺サイトから「おめでとうございます！あなたが次の高額当選者です」「あなたは選ばれた方でとんでもない金運をお持ちです！」等とメールが送られてきます。

大抵の方は「まさかそんなはずがない」と思うことでしょう。ですが、普段褒められ慣れていなかったり自己肯定感が低い方は「自分が選ばれた」という事実に胸が高鳴ってしまいます。

毎日家族のために朝からご飯を作り、掃除・洗濯・お買い物をこなしても、家族はそれが当たり前だと思い、誰からも感謝されない主婦の方。長年会社に勤めていたけれども、退職後趣味もなく、家族からは邪魔者扱いされているように感じるお父さん。「これまで頑張ってきたことが評価されない」という事は、どんな人でもひどく心が傷つきます。

「自分は誰からも必要とされていないのではないか」と心の片隅に不安を抱えている方は、現代社会において数えきれないほどいらっしゃることでしょう。そんなときに「自分の事を評価してくれる人物」が現れれば、嬉しくないはずがありません。

• 突然占い詐欺サイトから「選ばれた」とメールが来る
• 「これまでの頑張りが評価されていない」という人が興味を持つ
• 「自分のことを評価してくれている」と感じてしまう

占い詐欺サイトの狙い

占い詐欺サイトの鑑定士たちは「さも一人だけにメールを送っているか」のような特別感を演出し、ユーザーが続きを読みたくなるような所で文章を止めます。また、ユーザーに対して運命的なつながりがあることを繰り返し伝えてきます。「あなたは私のツインで私たちの運命は一蓮托生」「私たちは前世で夫婦」「神様からあなたへの伝言を預かっている」「私しか神様の言葉を届けられる人物はいない」等、目には見えないが強固な縁があることをアピールします。

もしもご自身が「誰からも必要とされていない」と感じているとき、必要としてくれる人が目の前に現れたら、いくらか心が満たされることでしょう。そのうえ「自分が豊かな生活を送れるよう手助けしてくれる」と提案されれば、信じたくなる気持ちが芽生えてしまいます。さらに「鑑定を受けていることを誰かに知られると願いは叶わなくなる」と秘密の約束を交わすことによって、仲間意識が芽生えると同時に、誰にも邪魔されずに鑑定士の思うままに操れる環境が作られてしまいます。

• ユーザーに対して運命的なつながりがあるとアピール
• 鑑定士が「自分を助けてくれている」と感じる
• 「誰にも言わないように」と約束させて操られてしまう

射幸心（しゃこうしん）を煽る悪質な占い詐欺サイト

占い詐欺サイトで鑑定を続けてしまうと、ポイント購入に費やす金額が膨らんでいきます。このため、鑑定費用を工面するために家族・友人・消費者金融から借金をしたり、家財道具の売却・保険の解約などを行い、現金をなんとか捻出します。

普通の感覚であれば「お金が無くなった時点でやめればいいのに」とつっこみたくなると思います。しかし当事者は「費やした金額分を回収するくらい」でなければ引き返せない状態に陥っています。「次こそは必ず当選するはず」と、自分自身を信じ込んでいるのです。この状況は占い詐欺サイトに限らず、パチンコや競馬等、ギャンブルにハマってしまう心理状況と非常に似通っています。

終いには、手持ちのお金が残りわずかしかなく「明日からどう暮らしていけばいいかわからない」というほど極限まで使い果たしてしまい、弊所に相談される方も少なくありません。

お話を聞くと鑑定士に「もうお金がないから鑑定が続けられません」と伝えたところ「無理のない範囲で大丈夫ですよ」という反面「今日が最後のチャンス」「二度とこの機会は訪れません」等、勧誘のメールをひっきりなしに送ってきたとのことでした。

またある方は「『明日には完了する』と言うが一向に終わらないじゃないか」「これは詐欺じゃないのか」と鑑定士に問い詰めたところ、連絡が返ってこなくなり、サポートセンターに尋ねたら「鑑定士はサイトから離れた」「必要であればまた呼び戻す」と返答されたそうです。

• 占い詐欺サイトでの鑑定のために借金を負ってしまう
• 「次こそは必ず当たるはず」という心理状況にある
• お金が無くなっても「最後のチャンス」と煽られ振り込んでしまう

まとめ

このようにいくらお金を使ったところで、決して鑑定は完了しません。鑑定を続けてしまうと一文無しになってしまう可能性があります。

この記事は、実際のご依頼者様の声をまとめ、悪質占い詐欺サイトの心理的手法を徹底的に分析したものです。既にサイトを利用されている方、サイトの利用を考えている方に、少しでも参考になればと思い記事化しました。