占いサイトの運営拠点

[ 目次 ]

①特定商取引に関する法律に基づく住所

占いサイトの業務を特定商取引に関する法律という視点で類型化すると「信販売取引」に該当します。同法の規定からすると、必ず運営サイトのわかりやすい位置に事業者の住所・連絡先・支払い方法などを明記しなければなりません。

占いサイトを利用された方の中で、占いサイトの運営元の住所を確認された方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういった方の声を聞くと、このサイトに記載されている住所に占い師が常駐し、水晶や祈祷などをして鑑定をおこなっていることを想像されている方もいらっしゃるようですが、実態は全く異なります。

②特定商取引に関する法律に基づく住所がアパートの一室であった場合

国内に拠点がある占いサイトの運営事業者の実態は、アパートの一室になっていることが多く、実際に訪ねてみると住人がいないケースが大半です。電気メーターを確認しても稼働していないケースが多く、居住者の確認すらできません。また、近隣住人に聞き取りを行っても情報はとれず、そこに鑑定士が存在しないことが分かります。

しかしながら、実際に通知書を送付すると郵便物は届きます。誰かが定期的にポストを確認し、郵便物を受け取りにきているようです。これは、鑑定結果に不満をもつユーザーがクレームを言いに直接おしかけてくることや、警察からの捜査を逃れるための目的のため、このような対策を取っているものと思われます。すなわち「身バレ」防止策です。

③特定商取引に関する法律に基づく住所が私設私書箱である場合

私書箱とは、住居や勤務先の郵便受けとは異なる専門の個別受け取り郵便箱と定義されています。しかし「私書箱」とは「郵便箱」という箱自体のことを指すのではなく、郵便物を受け取れるサービスの名称自体を「私書箱」と呼ぶのが一般的です。

この私書箱には2つの種類があり、郵便局内に設置された公式の「郵便私書箱」と、民間業者が提供する「私設私書箱」に分けられます。占いサイトの運営拠点として利用されているのは、後者の民間業者が提供する私設私書箱です。やましいところがある占いサイト運営事業者は、審査の厳しい公式の郵便私書箱は使用できません。

私設私書箱とはどんなものか

私設私書箱を開設する際は、利用者が身分証明書等を私設私書箱に提出することで、私設私書箱と契約できます。この契約が私設私書箱は甘く、厳格な審査を伴う公式の郵便箱とは異なります。契約が締結されると利用開始となり、私設私書箱は利用者宛てに届いた郵便物を一旦保管します。その後保管された郵便物を利用者が取りにいったり、指定の住所へ転送します。

すなわち私設私書箱とは、郵便物の受け渡しを行うだけで、そこに会社の事務所の拠点を置くことはできないということです。仮に会社の本店所在を私設私書箱にしている場合、そこに出向いたとしても、私書箱のスタッフがぽつんといるだけです。

こうしてみると、占いサイトが私設私書箱を本店所在地にする目的は、アパートの一室に本店所在地を置くケースと同様に「身バレ」を隠すことにあるといえます。

実際、占いサイトの本店所在地がある私設私書箱に出向き、私設私書箱の従業員に事情を聞きに出向いたところ「利用者との守秘義務」を理由に何も回答しませんでした。なお、弁護士会照会という法律上の制度を利用し、私設私書箱に対し利用者の個人情報の開示を求めると、回答する私設私書箱もありますが、回答された内容を辿り実態調査をしても占いサイトの運営事業者に辿りつくことはできません。こうしてみると、私設私書箱というのは、「違法行為者の受け皿」と考えてしまいますよね。

私設私書箱に関する判例

判例(仙台地方裁判所古川支部 平成30年12月12日判決 平成27年(ワ)第67号)では架空請求詐欺の被害回復のため、加害者と被害者をつなぐ、いわゆる「犯罪インフラ」を提供した私設私書箱業者に対して「私設私書箱が犯罪行為に利用される危険性があることを十分に認識し、これを予見できたと認識し、ほう助により共同不法行為責任を負うと判断」し、原告側の主張を認容しました。

このことは、裁判所が私設私書箱に対し「違法行為者を匿う行為は好ましくない」と忠告しているようなものです。

結果的に「違法行為者を匿う」という役割を担う、私設私書箱を運営拠点にした占いサイトは「やましいことがあるから私設私書箱を本店所在地等にしている」と言えるのではないでしょうか。

なお、私設私書箱の中でも審査を厳格な審査をおこなうところもあります。上記の内容は、「審査の甘い悪質な私書箱」のことを引き合いにしていますので、判別いただければと思います。

④特定商取引に関する法律の住所が海外である

昨今、インターネットの技術進化に伴い、海外に拠点を置く占いサイトが増えています。また、単に拠点を海外に置くだけでなく、サーバーを海外に設置することによって、占いサイトを運営する事業者も同時に増えてきました。弊所の受任案件から、相手方の占いサイトのサーバー設置場所が海外であった場合は「香港・ベトナム・フィリピン・タイ・マーシャル諸島・アンギラ等」東南アジア諸国に設置されている場合が高頻度で見受けられました。中でも香港・ベトナムは、弊所で受任している海外を拠点とする占いサイトのおよそ8割を占めています。過去の事例では、占いサイトの運営事業者のはずなのに、アメリカ合衆国ホワイトハウスのサーバーが検出されたことがありました。

では、 なぜ占いサイトは海外に拠点を置き、サーバーを設置するのでしょうか。

ひとつ考えられるのは、実際に運営しているのは日本の事業者ですが、海外のサーバーを用いて事業所があるように演出し、容易に返金に至らないようにしているということです。インターネット上のサイトは、サーバーが設置されている国の法的規制が適用されるため、日本で規制されているようなサービスも海外サーバーを用いることで法の網を搔い潜ることができます。例えば、オンラインカジノや違法ポルノサイト等は、それぞれ賭博罪・わいせつ物頒布等罪の構成要件に該当しえます。しかし海外ではそれらが法的に規制されていない国も存在するため、悪質な日本の業者はそういった規制の緩い国のサーバーを利用していると考えられます。

とはいえ、いくら悪質な占いサイトが本店所在地を外国に設置したり、サーバーを法的規制の緩い国に設置したとしても、鑑定料の徴収は何らかの方法で日本国内を通さなければなりません。国内での決済手段を辿れば、真の占いサイト事業者に辿り着く道筋は残されています。それゆえ、どんなに悪質な占いサイトが海外に拠点をおいたとしても、完全に警察からの捜査や弁護士事務所から返金請求から逃れることはできないといえます。

占いサイトの鑑定士はどこで鑑定を行っている?

占い師が鑑定をしている場所は、水晶やタロット・ダウジング等を用いるため、厳かな空気をまとった空間で鑑定しているような印象をお持ちの方もいらっしゃると思います。身近なところをあげると、大型商業施設内にパーテーションで区切られた占いスペースが設置されています。果たして悪質な占いサイトがこのような場所で鑑定をおこなっているのでしょうか。アパートの一室・私設私書箱・海外に拠点を置いている占いサイトがこのような場所で鑑定をおこなっているとは考えられません。

実態は「鑑定士を求人誌で募っている」といえます。

実際、インスタグラム等のSNS広告を確認してみると「占いサイトのオペレーター業務」等と称した求人広告が複数確認できます。数多くの占いサイト運営事業者が「占いに関する知識がなくても大丈夫!」「完全在宅OK!」「テンプレートの文言を入力するだけの簡単なお仕事」等、誰でもできるような印象を与える文言とともに大手求人サイトに掲載しています。しかも時給1500円以上の求人も見受けられ、最低賃金を大幅に上回っています。簡単な業務内容であるにもかかわらず、高時給である点は不審に思えます。

上記のようにして集められた占いの素人が、果たしてまともな鑑定を行うのでしょうか?前述したように、運営事務所住所が私設私書箱設置個所である場合等は、そこに鑑定士がいるわけがありません。また、海外に拠点を置いている悪質な占いサイトに対しても、国内での決済手段を辿れば返金に行き着く道筋は残されています。

悪質な占いサイトに高額な支払いをしてしまった方は、返金が可能かもしれません。着手金、相談料は無料です。お気軽にご相談ください。